万人のための最奥領域探索・名利嚼蝋出版株式会社

はじめに　―1―　：［古代ギリシャの世界観に準拠したプログラムについて］

　古代ギリシャ世界。

　今日、我々が生きる社会の一つの根はその場にて育まれたと言っても過言ではありません。高等学校レベルの世界史の授業で習うように

「ギリシャ世界を揺籃の地とする合理主義が共和政期・帝政期ローマに接ぎ木され、西洋中世の暗黒時代にて一旦、破壊されてから復興　―ルネサンス―　を迎える。その再生されし合理主義が［西洋中心の近代］への原動力となり、その近代が我々の生きる今日の文明世界の有り様と直線的に繋がっている」

という背景があるからです。

　そのような常識の世界の話を念頭にか、現代日本に住まう我々もとかく古代ギリシャ世界を心中、美化する風潮があろうか、と思われます。

　プラトンやアリストテレスといった古の賢人達が理と知を至上のものとし弟子たちと語りあい、その一方で事物をありのままに写す写実主義と実に人間的なる神々の面白可笑しき神話が矛盾もなく併存している世界。陽光に満ち溢れた明るき人間賛歌の世界。

　そういった風に古代ギリシャ世界を美化する風潮もあろうか、と思われるのです。

　ですが、古典古代への憧憬の念、人間理性で満ち溢れた明るき世界に向ける憧憬の念を捨て去らなければならない。次代のために。

　私はそう定置しており、かつ、そのような考えを他にも容れて頂きたい、と考えています。

　当然にして誤解を抱かれかねない物言いではありますが、何故、そこまで言うのか。

　その前提として次のような話を"まずもって"お含みいただければ、と思います。

「一面で（既述の如しの）［合理主義の揺籃地］であったとしても古代ギリシャ世界は明るき人間讃歌の世界では断じてなかった。その場で育まれた文学作品・美術作品の実に多くが［人間の運命が操作され、自由なき者達の悲劇が濃密に描かれたものである］という事実がそのことを端的に指し示している」

　つとめて［常識の世界の話］として話しはしていますも、上のような話の時点で疑義を呈したくなった方々には
［古代ギリシャの不朽にして代表的なる古典とされるような作品、例えば、Iliad『イリアス』のような作品］
を手にとって一読されてみることなどをお勧めします。
　往古ギリシャ、ポリス市民の大半が聞き知って育っただろう、吟遊詩人ホメロスの作と伝わる一大叙事詩『イリアス』。そのトロイア戦争を描いた西洋文学源流をなす古典の中では［英雄］も［英雄に支えられた軍隊や戦争］もすべてが神々の掌（たなごころ）の内にあることが際立った形で描かれています。だけではなく、神々のちょっとした気まぐれにより多くの血が大地に流れ、そして、そういった状況を操作される当の人間達が嘆く様がはきと描かれています　―古典文面、その次元で「神々気まぐれで子らが殺されていく」とのことより天を呪詛するさまが描かれています（※）―　。

（※多少加筆追記なしての部として：人間が運命や自然の克服しがたき側面を神々支配（なるもの）に仮託し描いたのがギリシャ古典だからであろう、といった見方。そういった見方以外に常識の世界の守り手らは［ギリシャ古典の中の神々の"やらせ"の如実なる描写］をして［未開人の確たる自意識それ自体の欠如の問題］がゆえであろうなどと論じていたりもします。　例えば、ジュリアン・ジェインズという著名な心理学者は次のように論じています。
（以降［学説］紹介とし）「古典『イリアス』に見る描かれよう、［自分との存在；主体］自体に帰属させての内省的思索を欠くが如く描かれようは［統合失調症と診断される人間が聞く幻聴］のような［形なき内なる声］にとらわれた往時の人間の内面的気質のためだろう．古代人は［意識表明部でありながら内心ならぬ［内神］の発露であるかのような形容をなしての表面部］と［神と表される形なき観念に占有された部］の二つの部に分かたれた心　―［二分心］といった用語で表現―　で［確たる自意識とは異質なる内面］を神々所作がゆえと容れての独特な意識状態にあったのだろう．それが［原始的人間の内的気風］というものだろう」（特定［学説］紹介はここまでとします）
　多分にそれ自体、観念論的かつ非科学的なる物言いのものともされる直上のような言説、著名学者（ジュリアン・ジェインズ）が述べるような［未開人「特有」の内的気風］といったことで問題が片づけられるものなのか否か。各人が［事実］と［証拠］に向き合った上で判断していただきたき次第です）

　以上のような話、［ギリシャ古典とはやらせと嘆きを描いたものであるという話］に輪をかけるようなこととして次のようなことが指し示せる旨、お含みいただければ、と思います。「次代に関わることであるから」というのがここでの話の本義であるとしつつ、お含みいただければ、と思います。

「世界中、至るところで古の神々は蛇神（蛇の神）だった。そうした側面はギリシャ世界の人間的に描かれていた神々にも"実に顕著に"当てはまり、―表通りには見られぬ形ながら―　オリンポス十二神（ゼウスを筆頭神とする古代ギリシャで代表的なる十二柱の神々）に蛇神としての側面が垣間見れる（考古学的知見よりそうだと指摘される）。その式で言えば、ギリシャ古典登場人物らは［神としての（隠喩的なる）蛇］に運命を操作されていた者達であったとも言える」

　上の話を「端的に」指し示せんがために直下に図解部を設けました。そうもしたことが何故、我々の次代に関わることにつながるのか。心中にあっての片隅にでもお気に留めていただき、続く内容をご検討いただければ、これ幸甚、といった次第です。

紀元前6世紀頃に作成されたというルーブル美術館所蔵の壺絵で［英雄アキレウスの亡骸を前に喪に服すアキレウスの母（女神テティス）と彼女の同輩の海の精霊のネレウス達］が描かれている。［『アキレウスと亀』といった意味深き哲学・科学談義の由来にもなっている俊足］［踵（かかと）以外、不死であったという故事］で有名なアキレウス。そのアキレウス　―上の遺物で死体となって横たわっている英雄―　は直近既述の代表的ギリシャ古典、Iliad『イリアス』にてトロイヤ戦争の折、無敵の強さを見せつけ、かつ、敵主プリアモスの「9日間、ヘクター（アキレウスに仇討ちされた武人）の弔いをなし、10日目に弔問者への饗応をなし、11日目にヘクターの墳墓を築きたい。その11日間の停戦の後、望むならば戦闘を再開することとしよう」との休戦提案に是との返答をなす度量を見せたことでも有名な存在だが、彼も蛇に象徴される神々に運命を操作された存在（神話上の特殊記号）だった、と解せられる　― I think , Greek mythological heros like Achilless have been representative examples of people whose destinities controled by snake deities.―　。そのことを指し示すのが上の遺物に何故なのか描かれているゴルゴン（Gorgon）の顔　―遺物の中央に描かれている巨大な顔―　である。ゴルゴンは、そう、蛇の髪を有している存在としてつとに知られているゆえに、である。

バチカンに存する遺物で［ギリシャ神話英雄イアソンと女神アテナが向き合う場を描いたもの］であるとされる。問題となるのはアテナ神が［衣から蛇を生やす存在］として描かれ、かつ、その胸当て　―アイギスと呼ばれるもの―　にメデューサの首が嵌めこまれていることである。メデューサは先のアキレウス葬儀関連遺物にも描かれているゴルゴンの一に数えられる蛇の髪を持つ怪女であり、それによって、アテナが蛇と結びつくことが端的に示されていることとなる（：『イリアス』上では［神として自らその人間の"似姿を借りた"、表現技法上、（そう解さない人間もいるようであるも）"憑依"した、と解されもする人間（英雄ヘクトルの弟デーイポボス）の甘言を通じトロイア側主将・宿敵ヘクトルを死地へ追い込むというかたち］にてアキレウスに加勢したと描かれもするアテナ神。同アテナは上掲載例以外の象徴物でも頻繁に蛇とワンセットで描かれている。また、他のオリンポスの神々も多く「極めて濃厚に」蛇と結びついている。直近［アキレウス葬儀描写遺物に見るゴルゴン登場図式の話］を牽強付会　―押し付け論法―　と指弾させしめないようなこととし、アキレウス殺傷と結びつく神、「矢の軌道に介入した、あるいは、射手パリスの"似姿を借りた"との形態で［アキレス弱点たる踵（かかと）を矢で打ち抜いたとも伝わるアポロン］が蛇と濃厚に結びついている」といったこともその現れとなる）。

　別枠図解部内で挙げた古代ギリシャの遺物は極々一例にすぎないといった形でギリシャの神々は蛇と結びついています（関連情報は解説注力用に設けている情報媒体　―後の段にて紹介―　を参照ください）。
　そのようなこともあって
「『イリアス』のような古典で人の運命が蛇に仮託される存在に操作されている」
と　―まずはともかく―　述べるわけです（：神話上で、そして、神話を伝えた古典世界で政（まつりごと）や人々の運命へ甚大なる影響力を行使したとされる［デルポイの神託所］の元の番人はピュトーンという大蛇であったと伝わります。そして、そのピュトーンを討ったアポロン神もまた蛇と隠喩的に結びつき、［アポロンの神託所と化したデルポイの神託所］と［アポロンが大蛇ピュトーンを葬った世界の中心（へそ）との位置づけを与えられているオンパロスという石碑］も蛇を介して密接に結びつきます。そういったことの意味をここまでの話と合せて考えていただきたきものです）。
　皮肉なことに、日本の『平家物語』、1500年以上前に成立したとされるのが通説の『イリアス』が盲目の吟遊詩人ホメロスに語り継がれたとされているようにある種、盲目の吟遊詩人とも言うべき琵琶法師によって語り継がれた同『平家物語』（『イリアス』も『平家物語』と同様、軍記物といえます）にも
「海底竜宮に居を定める大蛇が平家一門と安徳天皇を用いて人界に争闘をもたらした」
と伝わっているが如く（我々の義務教育課程教科書には掲載されることなき『平家物語剣之巻』や平家物語の異本にあたる『源平盛衰記』にそういう下りがあります）、古代の物識る人に知らぬ者なかったろう『イリアス』は
［蛇の神々に運命を操作された者達の物語］
と定置できると　―まずはともかく―　述べるわけです。

　さて、ここまでで、（その代表的古典が蛇に仮託される神々の人間操作の物語であったと述べることを契機に）「人間理性で満ち溢れた明るき世界に向けるような憧憬の念をギリシャ世界に対して抱くことはできない」
ということを　―部分的ながらも―　蛇の神々の話をもなしながら訴求できたことか、と見ます。

　しかし、古代ギリシャ世界に対して憧憬の念を抱くことは"できない"、ということを述べるにとどまるのなら、そんな話をする意味はほとんどない。少なくとも、象牙の塔の住人がためにする観念論を弄ぶ以上の意味はない。

　そう述べました上で強調しておきますが、
「次代のために古代ギリシャ世界に対して憧憬の念を捨て去ら"ねばならない"」
と強調してから、ここに至るまでの　―迂遠ともとれる―　話に入ったのです。「憧憬の念を抱くことは"できない"」どまりではなく、そこから一歩進み、憧憬の念を抱いては"ならない"」と世人の内的変化を喚起することが端からの目的なのです。

　無論、世人の内的変化を促す、といったような考え方は多く
［職業的煽動者のそれにあらずんば狂的なる者　―典型は宗教妄信の者らでしょう―　の特質］
とも言えましょうが、であることを敢えて含んだ上で、そう、それが如しとの誤解を抱かせかねないことを覚悟の上で、［内的変化を促すという目的］でもって話さなければならない、という事情があります。
　極めて押し付けがましくも「次代のために憧憬の念を捨て去らねばならない」と殊更に述べている時点でそれなりの事情の存在を見てとっていただいた方もいようか、と見ますが、
「神と呼ばれた存在のやらせを多分に示唆した古典を今日に伝えてきたギリシャ世界に由来する象徴言語で我々の今後を　―破滅一路の方向で―　示唆している者達が存在している」
からです。こともあろうに我々が生きるこの現代社会で［過去から蘇った悪霊］が憑かれた者たちを操っているがごとくに。

　上が悪い意味で「やはり」付きの読み手の反応　―『職業的煽動者にあらずんば、・・・・の話柄であろう』との反応―　をきたしかねないことを承知しつつ述べれば、

「内的変化を促さなければならないとする因を上記のようなことに求める私を　―その言に反しての―　職業的煽動者や狂質の赴くままに動く類ととるか否かの判断は"自信をもって"各自の主観に任せる（眼光紙背に徹するといった見識を有されている方が私の物言いの裏を徹底的にとっていただければ、むしろ本懐、といった次第である）。
　そう述べた上で強調しておくが、私は
［新手の陰謀論者］
といった類ではない（これより呈示の文書らより言い分妥当性の検証請いたき仕儀として．この身は［根拠無視（ないし軽視）/憶説流布］をこととする陰謀"論"者との人種を心底、軽蔑している）。
　私は
［誰でも確認可能な根拠］
に基づいてしか話さない人間である。「確認可能なること」だけで　―［誰でも確認可能な根拠］だけで―　我々の今後に関わる問題を完全に訴求出来る、とよく知った上で、である」

　と強調したき次第です。言い換えれば、

「［神と呼ばれた存在のやらせを多分に示唆した古典で溢れるギリシャ世界に由来する象徴言語で我々の今後を　―破滅一路の方向で―　示唆している者達が存在している］という上述の話は完全に客観的な根拠で指し示せることである」

と強調したき次第なのです。

　さて、ここでようやっと［前提の話］、本サイト（かつ本サイトを展開する法人）を始めたことにもまつわる［前提の話］を一歩進める段になりました。

　直近、［神と呼ばれた存在のやらせを多分に示唆した古典で溢れるギリシャ世界に由来する象徴言語で我々の今後を　―破滅一路の方向で―　示唆している者達が存在している］と述べましたのを胸に次のこと　―望見する限りはおかしな人間のざれげんの類と区別難しかろうとも当然に思われもすることながらもの次のこと―　をよくよくお含みくださるようお願いしたき次第です。

「世界的に有名な組織としてフリーメーソンという結社が存在する。
彼らフリーメーソンが
［秘教的に蛇を尊崇視する団体］
であることはつい最近まであまり知られていなかったことだが（欧米では　―インターネットの普及や物議を醸す論客の活動などから―　ここ十年でフリーメーソンの蛇崇拝の秘教思潮の話が世間一般に広まっていった：尚、フリーメーソンの蛇崇拝は　―彼らロッジ（交流会館）にての壁面になまめかしい蛇の蛇行する図像が描かれている等々―　他ならぬメーソン関係者の手による書籍でも指摘されていることともなり、そうしたことがある点について［蛇を敢えて善に据え置くとの往古からのグノーシス主義思想の一派の影響である］といった常識的なる説明が講じられていたりする）、　そこからさらに一歩進んで、そうして蛇の象徴物を（これ奇怪に）秘教的に神聖視するフリーメーソンらが
［蛇の秘教的なる体現物だった神々を主催者としていた古典ギリシャ世界の特定命名規則に基づいて人類の破滅につながるやりようにまつわっての【プログラム】（※【破滅をもたらす（実験におけるゴム手袋のように間接的に用立てられての薬籠中の人形らを手繰っての人災 Man Made Disasterとして破滅をもたらす）との具体的かつ嗜虐的な意思表示のため「だけ」の挙動】と（本質的に）言い換えられもするとの体をなしての「際だって特異な」一連の行動様式をしてここでは【プログラム】と表している）の上を走らされている］
とのことを公言する者は　―欧米圏にすら―　絶無に近しい。近しいも、それは客観的で異論を許さぬ具体的証拠群の山から指し示せる"事実"である」

　上を読まれて
『陰謀論者特有の物言い　―あるいはオウム真理教のような狂人の集団がえてして好むような拙劣で根拠無視の非科学的なる物言い―　では？』
と見られた方もそうではない方も変わらずに直下リンク部の先に続く話をお読みいただきたい。名利嚼蝋出版などという会社を設立までした私が正しきことを言っているのか言っていないのかのひとつのご判断に供していただくべくお読みいただきたい。そう述べまして頁をあらためます。

続くページへ